winscpでscpやftpを利用するときの便利な設定
はじめに
windows の ftp、scp クライアントとして使用している WinSCP の便利な設定についてまとめています。
同時接続数を増やす
同時接続数を増やすことで、ファイルのアップロードやダウンロードが複数ファイル同時に行われるようになるため、全体の転送時間が短くなります。
メニュー > オプション > 環境設定 とクリックして、環境設定画面を開きます。
ツリーメニューから転送の中のバックグランドをクリックします。
右側に表示される設定項目を下記のように設定します。
- 最大同時接続数に任意の数字を入れる
- バックグランド転送をデフォルトにするにチェック
- 個別のバックグランド転送をデフォルトにするにチェック
この設定を行うことで、ファイルのアップロード、ダウンロードが最大同時接続数に指定した数だけ、同時に行われるようになります。
注意点として、レンタルサーバによっては最大同時接続数の制限がありますので、確認が必要です。
サーバ側で制限が入っている場合は、クライアント側でいくら数を増やしてもエラーになるだけです。
sudo/root 権限でファイルを操作する
winscp で linux サーバに接続して、root 権限のファイルを編集する方法です。
ssh でログインしてファイルを編集するときには、sudo vi /path/to/file
のようなコマンドで root 権限のファイルを編集できますが、winscp の場合は少しだけ設定が必要です。
winscp から sudo を使うためには、suders の設定を行う必要があります。
ubuntu16.04lts の場合
下記のコマンドを実行して、設定ファイルを開きます。
sudo visudo
一番下の行に下記の 1 行を追加します。
[yourusername] ALL=NOPASSWD: /usr/lib/openssh/sftp-server
[yourusername]の部分は接続したいユーザの名称に変更してください。
保存は、vi の保存と同じです。
ubuntu16.04lts にも、# includedir /etc/sudoers.d
が書かれているのですが、うまく設定ファイルを読み込んでくれませんでしたので、sudo visudo
で開かれるファイルを編集することにしました。
ubuntu18.04lts の場合
sudo visudo
コマンドを実行すると、設定ファイルの編集画面が開きますが、設定ファイルの中に下記の 1 文があります。
# includedir /etc/sudoers.d
/etc/sudoers.d
がインクルードされていますので、この下に設定ファイルを置くと読み込んでくれます。
下記のコマンドを実行して設定ファルの作成を行います。
sudo vi /etc/sudoers.d/[yourusername]
[username]の部分は何でも OK です。ユーザー名にしておくと、あとから見たときに分かりやすいです。
設定ファイルの中には下記のような 1 行を書きます。
[yourusername] ALL=NOPASSWD: /usr/lib/openssh/sftp-server
[yourusername]の部分は接続したいユーザの名称に変更してください。
/usr/lib/openssh/sftp-server について
使いたいコマンドがあれば他にも追加すれば良いですが、今回は/usr/lib/openssh/sftp-server
だけなので、このコマンドだけパスワードを聞かれずに実行できるようにします。
ubuntu18.04lts、ubuntu16.04lts の場合は、/usr/lib/openssh/sftp-server
になります。
他のディストリビューションの場合は、sftp-server
を探して、フルパスで指定してください。
winscp 側の設定
今度は、winscp 側の設定です。
いつもどおり新しい接続先の追加を行えば良いですが、「転送プロトコル」を sftp にする必要があります。
設定>環境> SFTP と進み、SFTP のプロトコルオプションを指定します。
「SFTP サーバー」という項目がありますので、下記のコマンドを入力します。
sudo /usr/lib/openssh/sftp-server
設定が完了したら、実際に接続します。
接続して、root 権限のファイルが winscp 経由で編集できるようになっていれば成功です。
英語ですが、公式にもやり方が書かれていますので、参考にしてください。
https://winscp.net/eng/docs/faq_su
以上で winscp から root でファイルを編集することができるようになりましたが、root 権限でのファイル操作が GUI からできるようになりましたので、大切なファイルを間違って編集したりしないように気をつけてください。